進歩制度
努力を褒められて証のバッジを貰ったら子どもたちは更なるヤル気で頑張れる!
大志館と呼ぶ団の小さな建物に一人の中学生と大人5人が姿勢を正して座っています。 国旗儀礼や中学生の「ちかい」と「おきて」の発声後に、「隊長から申請がありましたので、菊スカウト章取得のための団面接を始めます。最初に隊長から申請理由を説明していただきます!」と進行役。「君は勉強や部活をしながらよく頑張りましたね!本日君の団面接を行うことをとても嬉しく思います。ボーイ隊最上位の菊スカウト章の進歩課目で一番苦心したところは何でしたか?面接員の皆さんに説明をして下さい」と団委員長の私・・・。 この面接は、「ふるい」にかけるのではなく、本人の能力なりの努力の経過や優れたところを見出して褒め称(たた)え、更なる「やる気」をかもし出すように激励することが目的なのです。そして何より大切なことは、子どもの人格を尊重して大人が紳士的な言葉で語りかけるところにあります。この面接を受けた子どもは、やがて市川市長から顕彰を受け、更に上位の「千葉県連盟隼章」を取得すると県知事から、そして最高位の「富士スカウト」になれば総理大臣から顕彰を受け、皇太子殿下から励ましのお言葉をいただいたりします。 このように幼稚園年長から成人に至る子どもの成長に合わせて、興味を持続させながら楽しく履修(りしゅう)できる一貫したプログラムシステムが開発され、ボーイ隊では、メンバーシップ・家庭・公民・世界友情・健康・救護・クラブ活動・外国語・ハイキング・キャンピング・冒険・自然愛護・近隣奉仕等、53種類318項目もの課目が用意されています。これらの仕組みを「進歩制度」と呼び、課目をクリヤーする毎にバッジを授与します。 創始者である英国人ベーデン・パウエル卿(きょう)が、100年前にたった20人の子どもと始めたこの運動は、216もの国と地域で2800万人という世界最大の青少年健全育成団体になりました。この発展に寄与した最大のノウハウは、創始者が考案した小グループ縦社会の「パトローリングシステム」(班制度)と「バッジシステム」(進歩制度)にあります。「冒険が伴う大自然を舞台に班旗を立てて異年齢の子どもの班が、次長を先頭に班長を真ん中にして威風堂々と目を輝かせて楽しそうに進んで行く!子ども達の制服には、努力と進歩の証である沢山のバッジが輝いている!」このイメージこそが、ボーイスカウト教育の基本像なのです。 去る2007年5月26日に挙行された創始100周年記念レセプションで、多くの善意のボランティア指導者は、皇太子殿下より「次の100年に向かって青少年のために更なる尽力をお願いしたい!」と激励されました。
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日貿易出版社発行 森屋啓著「地域力だ!ボーイスカウト」より
菊章取得スカウトは市長から、隼章取得者は県知事から、富士章取得者は内閣総理大臣から顕彰されます。